甲状腺疾患
甲状腺疾患の病理
甲状腺ホルモンにはチロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)があり、前者(T4)の方が
量的には多いですが、生理活性は後者(T3)のほうが強いです。(3とか4はヨウ素の数です)
甲状腺ホルモンの生理作用は以下のようなものになります。
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成長、発育促進作用 |
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基礎代謝亢進作用(体温上昇) |
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グリコーゲン分解、糖新生を促進し、血糖を上昇させる |
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タンパク異化促進 |
| ・ |
コレステロールから胆汁酸への異化を促進することで血中コレステロールを低下させる。 |
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心筋のβ受容体を増加させる(T4のみ) |
■甲状腺ホルモンの合成
甲状腺ホルモンは、食物中のヨウ素を基にして作られます。ヨウ素がヨードイオンとなり腸管から
吸収されると、腎臓によって甲状腺へと戻されます。甲状腺に来たヨウ素イオンは、チログロブリン
という濾胞上皮細胞が合成するタンパク質上で、
甲状腺ペルキシダーゼの作用でチロシンと結合し、ヨードチロシンとなります。
チログロブリンと結合したヨードチロシンは、普段は血中をさまよっています。蛋白とくっついている
ので腎臓でろ過される心配もありません。そして、必要なときに、チログロブリンがはずれて、
ヨードチロシンである、T3、T4が放出されます。
■甲状腺疾患
甲状腺疾患は甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症に大きく分けられます。ここでは、
亢進症、低下症の中でも最も頻度の高い、パセドウ病と橋本病について説明します。
| 甲状腺機能亢進症 |
甲状腺機能低下症 |
| パセドウ病 |
橋本病 |
| 自己免疫疾患のひとつ。抗TSHレセプター抗体がTSH受容体を持続的に刺激するため、
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう疾患。 |
チオグロブリンに対する抗体が産生され、甲状腺が破壊される疾患。 |
| 特徴:甲状腺肥大、頻脈、眼球突出 |
特徴:寒がり、冷え性、皮膚乾燥 |
甲状腺疾患の治療法
◆甲状腺機能亢進症
甲状腺の機能を抑える、抗甲状腺薬が第一選択として用いられます。初期は大量に投与し、
以降はTSH値を見ながら減らしていきます。すでに合成された甲状腺ホルモンが4週間位備蓄
があるため、効果の発現は遅く4〜6週を要します。そして、機能が正常化しても1年間は維持療法を行います。
症状がひどい場合はステロイドの内服、頻脈がひどい場合はβ遮断薬を併用する。
重症例には、放射線治療、手術を行うこともあります。
◆甲状腺機能低下症
補充療法には、T3は強すぎるので、T4を選択する。少量(1日25μg)から開始し2〜3ヶ月
かけてゆっくりと1日の維持量の100μgにもっていく。T4は
半減期が6〜7日と長いので1日1回投与する。
甲状腺疾患の治療薬
| 抗甲状腺薬 |
甲状腺のペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの合成を抑制する(チアマゾール、プロピルチオウラシル)。
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メルカゾール (チアマゾール) |
甲状腺外で免疫抑制作用示す。チウラジールより抗甲状腺効果が高い(約10倍)ので授乳中以外は第一選択。 |
チウラジール (プロピルチオウラシル) |
メルカゾールより母乳中への移行が少ない。 |
ヨウ化カリウム (ヨウ化カリウム) |
作用機序は不明。短期間であれば甲状腺機能を強力に抑制するが、長期使用でエスケープ現象が起こる。 |
共通の副作用:頭痛、倦怠感、無顆粒球症(咽頭痛、高熱) |
| 甲状腺ホルモン製剤 |
チラーヂンS (レボチロキシンNa) |
T4製剤。末梢で大部分がT3に変換され作用を発現。半減期:6〜7日。
鉄剤、Al製剤に吸着される。
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| 共通の副作用:心悸亢進、頭痛、甲状腺肥大 |
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