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前立腺肥大

前立腺肥大の病理

組織学上60歳以上の男性に50%、85歳までの約90%に見られ、自覚症状があるのは4人に一人といわれています。 高齢になると、男性ホルモンの分泌が減少し、女性ホルモンの比率が高くなることが肥大に影響していると考えられています。

前立腺肥大は前立腺の内腺の腫瘍であり、外腺の腫瘍の前立腺がんとは区別されます。したがって、 前立腺肥大と前立腺がんは全くの別物ですので、前立腺肥大から前立腺がんになることはありません。 前立腺の内腺が肥大することでα1受容体が増加し、増加したα1受容体を介して前立腺の平滑筋が収縮することでおこります。

ここで注目してほしいのが膀胱排尿筋にあるM3(ムスカリンM3)受容体です。副交感神経が刺激され、 M3受容体が刺激されると、膀胱排尿筋を収縮し、排尿が起こります。そのため、副交感神経を抑制する抗コリン薬(バップフォー、ポラキス)は、 前立腺肥大には禁忌となります。

第一期 第二期 第三期
膀胱刺激期 残尿発生期 慢性尿閉期
夜間トイレに行く回数が増える、尿が少ししか出ない(残尿量なし)。 残尿感の出現、いきまないと尿が出ない。 トイレに行く回数が増える。

前立腺肥大の治療法

第一期〜第二期までに対しては薬物療法、第三期に対しては手術療法を行う。

◆薬物療法
α1遮断薬が第一選択薬です。その中でもα1A選択性のものと、α1D選択性のものが好んで使われます。 血管にはα1B受容体があるので、α1非選択性の薬剤は前立腺以外の血管にも作用し、起立性低血圧を起こす可能性があります。

◆手術療法
レーザー、カテーテルなどいくつかあるが、その中でも、経尿道的前立腺切除術(TURP)が頻繁に用いられる。 尿道から内視鏡をいれ、その先端に取り付けた電気メスで前立腺の肥大した部分を切除します。

アルコールは血流量を増やすことで前立腺がむくみ尿が出にくくなるうえ、利尿作用のため尿がたくさん つくられますので控えるように。

前立腺肥大の治療薬

α1遮断薬
前立腺のα1受容体を遮断し、排尿困難を改善する。
フリバス・アビショット
(ナフトピジル)
α1D受容体選択的阻害薬。作用持続時間が長い。1日1回
ハルナール
(タムスロシン)
α1A受容体選択的阻害薬。作用持続時間が長い。1日1回
エプランチル
(ウラピジル)
どちらかというと降圧剤として使用
バソメット
(テラゾシン)
ミニプレス
(プラゾシン)
共通の副作用:バイアグラとの併用は禁忌(低血圧)

その他
エビプロスタット
(エキス配合剤)
抗炎症作用、排尿促進作用、前立腺重量抑制作用、尿路消毒殺菌作用
セルニルトン
(セルニチンポーレンエキス)
抗炎症作用、排尿促進作用



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